表1「注記」原点処理方法一覧

 

注1:有機水銀とその化合物及び有機物含有無機水銀とその化合物

  廃液に硫酸を加えて酸性にした後,過マンガン酸カリウムを加え,7023時間加熱し,有機物を分解処理する(過マンガン酸カリウムの紫色が残っていること)。処理完了後,過剰の過マンガン酸カリウムは還元剤で還元し,廃液を水銀及びその化合物の廃液とする。加熱中に水銀蒸気が発生する恐れがあるため,活性炭吸着装置で除去するが必要である。

  他の有機物分解法には,水酸化ナトリウムアルカリ性(pH11以上)で次亜塩素酸ナトリウムを使用する方法,硫酸酸性のもとで重クロム酸ナトリウム/カリウムを加え,1ヶ月以上放置し有機物を完全に分解し,過剰の六価クロムを還元する方法などがある。

 

注2:六価クロム

  廃液に硫酸を加えて酸性にした後,還元剤(亜硫酸水素ナトリウムなど)を加えて,溶液の色を完全に緑色(三価クロム)にしてから,「酸・クロム及び重金属」の分類の廃液とする。刺激臭のガスが発生するので換気に注意する。

 

注3:ふっ化水素及び無機ふっ素化合物

  廃液に過剰の塩化カルシウム(モル比Ca/F=3以上)を加え,pH6-11にして5時間以上放置し,生成する沈殿はろ別する。ろ液はふっ素イオンが0.5以下であることを確認し,pH8以上であれば「アルカリ系廃液」として貯留してもよい。あるいは,廃液にPAC(ポリ塩化アルミニウム)溶液または硫酸鉄(V)pH5-6で加え,生成する沈殿はろ別し,上記に従う。ほうふっ化化合物は過剰のアルミニウムイオンを加え,十分加熱してふっ素をアルミニウム錯体とした後,塩化カルシウムを加え,上記処理する。ろ別した沈殿(ふっ化カルシウムなど)は「スラッジ類(非水銀系汚泥類)」として別途,処理依頼する。

  ふっ素・りん酸同時処理ではpH6-8が最適処理条件となる。

  

注4:りん酸とその化合物

  廃液に過剰の塩化カルシウムを加え,pH10-11にして1日以上放置し,生成する沈殿はろ別する。ろ液はりんとして300ppm以下であることを確認し,そのまま「アルカリ系廃液」として貯留する。あるいは廃液にPAC(ポリ塩化アルミニウム)溶液または硫酸鉄(V)pH5-6で加え,生成する沈殿はろ別し,上記に従う。酸性では沈殿として除去できない。ろ別した沈殿は「スラッジ類(非水銀系汚泥類)」として別途,処理依頼する。

 

注5:キレート剤(錯体)含有重金属類

  過マンガン酸カリウムによる有機物の分解(注1参照)後,「酸・クロム及び重金属」の廃液として取扱う。

  または,炭酸ナトリウムあるいは水酸化ナトリウムを加えてアルカリ性(沈殿最適pHを選択)にし,一昼夜以上放置し,沈殿をろ別する。含有金属などにより最適pH(例えば,銅の鉄(U)による凝集沈殿ではpH8付近がよい)にて沈殿を生成する。また、錯体を形成している場合は配位子による影響もあるので注意する。ろ別した沈殿は「スラッジ類(非水銀系汚泥類)」として別途,処理依頼する。ろ液は重金属類の総量が100mg以下であることを確認後,「希薄有機水溶液」の分類とする。PAC (ポリ塩化アルミニウム),塩化鉄(V),硫酸鉄,高分子凝集剤などを併用し,沈殿を生成しやすくすると良い。

 

注6:シアン及びその化合物

  廃液中のシアン濃度を約500ppm以下とした後,水酸化ナトリウムでpH10.5以上にし,6%次亜塩素酸ナトリウム溶液を加え,良く撹拌する。1時間以上放置後,撹拌しながら硫酸を加えpH8-9とし,6%次亜塩素酸ナトリウムをさらに加え,数時間放置し,亜硫酸ナトリウムなどで残留塩素を還元後,シアン・ひ素系廃液としてpH9以上にて貯留する。(酸性にすると猛毒のシアン化水素ガスが発生する。) 操作は全てドラフト内で行なう。

  難分解性シアン錯体(RAg(CN)2, R2Ni(CN)4, R3Cu(CN)4, RAu(CN)2, R3Fe(CN)6, R4Fe(CN)6, R3Co(CN)6など,RK又はNa)を含む廃液は,CNの約25倍重量になるように硫酸鉄(U)7水和物を加えpH5-6に調整し,しばらく放置した後pH9.0-9.5にして貯溜する。沈殿はろ過する。ろ別した沈殿は「スラッジ類(非水銀系汚泥類)」として別途,処理依頼する。

 

注7:ひ素とその化合物

  廃液に水酸化カルシウム溶液を加え,pH9.5に調整し,高分子凝集剤を添加,十分撹拌後,一晩放置,沈殿をろ別する。ろ液に酸化鉄(V)又は硫酸鉄(V)を,ひ素の約50倍量加え,水酸化カルシウム溶液にてpH710に調整し,十分撹拌後,一晩放置し,沈殿をろ別する。ろ液はひ素が20ppm以下であることを確認後,「シアン化物,シアン錯化合物及びひ素化合物」の廃液とする。ろ別した沈殿は「スラッジ類(非水銀系汚泥類)」として別途,処理依頼する。

  有機ひ素化合物(カコジル酸など)は前もって酸化剤(過酸化水素,次亜塩素酸ナトリウム,過マンガン酸カリウムなど)で有機物を分解した後,上記の操作を行なう。

 

注8:セレンとその化合物

  廃液に希硫酸を加えて酸性にし,硫化ナトリウム水溶液を加えてセレンを沈殿させる。沈殿をろ過し,ろ液はセレン12.5ppm以下であることを確認後,「シアン化物,シアン錯化合物及びひ素化合物」の廃液とする。ろ別した沈殿は「スラッジ類(非水銀系汚泥類)」として別途,処理依頼する。

  有機セレン化合物は前もって酸化剤(過酸化水素,次亜塩素酸ナトリウム,過マンガン酸カリウムなど)で有機物を分解した後,上記の操作を行なう。

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